でんかでんさっかさい!!でんさか やっさい!!でんでれこでんでん!! それ!!。何トンもあるキリコを担い でいると肩と腰が痛くなる。若者の少 なくなった田舎の町は祭りを運営する のも大変なことなのだ。数少なくなっ た若者に期待と責任が重くのしかかる。 あ〜疲れた。がまんしきれず道路に座 りこんでしまった。
おいおいもう休んどるんか?担げま担げま。 だちかん奴やな。キリコの重さに顔をゆが めながら昔若者だったおやじさんが声をあ げた。
こうして見るとキリコもなかなか洗練された 美しさがある。京都の祇園祭りとはまたちが った練り歩く美術館のようだ。それなりに 男らしくそして女らしく。ぎんぎらに派手で もなく寂しくもない。闇に浮かぶキリコの 様子はこんな形で小さい子供のころから目に 焼き付けられてきたのだ。
女も祭でそうよ女を磨くんだ。山の神、海の神 今年も本当にありがとう。赤い腰巻きひきしめた、 女若衆に汗が散る。祭だ祭だ豊年祭・・・・。 どこにも聞いたことのない祭の唄が飛んでいた。
きれいに写してや。うちら昔からの友達や。やっぱり田舎の祭りはええな。 田舎を離れて大阪や名古屋にいるという昔の娘達が祭りに酔いしれていた。