でんかでんさっかさい!!でんさ かやっさい!!でんでれこでんで ん!!それ!!。何トンもあるキ リコをそんなに長くは担いではお れない。何度も休みながら町内を 回るのだ。後から来るキリコが思 うように動いていないと助っ人が 飛んでいく。皆知り合いの仲間達 だ。
近頃の若いもんは身体ばっかり、でこなっ て、な〜んも力ないな。キリコもやっと動 いとる。なさけないこっちゃ。人も、たり んし、俺も担ぎたいげけどこの年歳や。じ ゃまになっさかい、やめとるげ。ただ身体 の血だけは昔を思い出して騒いどるけどな。
キリコはもう担げなくなったけど祭り好きな お父さんは神輿を担いで祭りに参加する。 たまには神輿を大きく揺さぶってその心意気 を見せつける。浅草の三社祭りのようにはい かないが神輿もなかなかいいものだ。 なんたってキリコを先導する役目をもってい るのだからな。自分にそう言い聞かせるよう に神輿に手を合わせてた。
都会のようなネオンもない小さな田舎の町はキリ コに灯がともされると闇のなかに浮かびあがって 非常に美しい。キリコの灯に照らされながら、太 鼓と鐘の音を聞きながらひとりキリコを見つめて いる人がいた。
キリコの最前列を担ぐのは一番元気のある若者達だ。身長もそれなり にそろってないとキリコが傾いてしまう。さ〜一気に担ぎ上げるぞ!!。