でんかでんさっかさい!!でんさ かやっさい!!でんでれこでんで ん!!それ!!。キリコの美しさ ばかりに目をとられうっかりして いたのだが祭りのはっぴもなかな か目の保養になる。年々派手で高 価なものが多くなってきたようだ。 町内そろいのはっぴは見た目にも よいものだが、抵抗感をもつ若者 も多いようだ。
キリコ祭りは2日間に渡っておこなわれる。 さすがに2日目は疲れがでてきてキリコも 思ったようには動かなくなる。他の町内の 若者に助っ人を求める事は当然の事なのだ。 一時期はキリコに車が付けられた事もあっ たが若者達がいやがって寄り付かなくなる。 意地でも車を付けないというのが町内の若 者達の多くの声だ。
祭りの囃子には二通りあった。でんか でんさっかさい・・・は通常の囃子。 もう一つはよいとしょう!!よいとし ょ。でんでこでん。さあよいとしょう よいとしょでんでこでん・・・。この 囃子は坂道を登る時や、皆が疲れてキ リコが動かなくなって来た時にもう一 息頑張ろうといったところで使用され た。
太鼓や鐘もよいとしょ!!・・・の囃 子にあった叩き方をするのだが、いつ もの囃子の時よりは、さらに力強く、 ゆっくりと叩かれた。ただ最近は担ぎ 手が少なくなりキリコの運行路も坂道 を避けるようになってからはよいとし ょ!!・・・の囃子を聞くことも少な くなった。
2日目の祭りはまだ明るい夕方から始 まる。明るいだけ、人の目も気になる が、知り合いを見つけるのも見つけや すい。前日のキリコの休憩タイムは町 の西端に来た所でとられたが2日目は 東端に来たところでとられる。皆座り 込んで話に夢中だ。前日からの酒が残 った身体にさらに酒がつぎ込まれる。
おお、久しぶりやな。今どこにお りん?。誰や?。俺や!!。わか らんかな?。20年や30年ぶり に会う昔よく一緒に遊んだ仲間達 だ。人相が変わって全く昔の面影 がない者もいるし、昔と少しも変 わらない者もいる。皆昔に戻って いく。ちょっとしたしぐさや、話 かたに昔のままの姿がよみがえっ てくる。
祭りにきたった?。またいらし。 昔よく可愛がってくれた近くの 家のおばちゃんが声をかけてき た。どこの家でも祭りには都会 や嫁ぎ先から帰って来た人達で にぎわっている。また来年帰っ て来るさかい元気におらし。そ んな挨拶を交わしながら今年の 祭りも終盤を迎えた。
寂しくて言うんじゃないが、帰ろかな?帰ろかな。故郷のおふくろ 便りじゃ元気。だけど気になるやっぱり親子。 帰ろかな?。帰るのよそうかな?。